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就職戦線を生き抜くために親がすべきこと

2011年11月 日本経済新聞 残念ながら、子どもが第1志望の会社に入るとは思わないほうがいいだろう。子どもたちはエントリーシート(ES)による書類選考で、筆記試験で、1次面接で、または最終面接で、いたるところで「ダメだし」される。 テストの点数が低いと不合格になる受験と違い、就活では、なぜダメだったかその理由は明示されない。とても不透明だ。子どもたちは、就活で、たくさんの挫折を経験することになる。上位大学の学生であってもそれは同じことだ。むしろ、これまで競争にずっと勝ってきた学生ほど打たれ弱いということがあるかもしれない。 そこで親が果たすべきは、安易に就職浪人や大学院進学をすすめることではなく、「就活で落ちるのは当たり前だからへこたれないで」というエールを贈ることである。 また、子どもたちは「働くこと」がよく分かっていない。子どもたちがバイトで経験するのは飲食店のスタッフが多いだろうが、多くの職種は未経験で、「働くこと」をとても感覚的にとらえている。そして心の底では、「できれば働きたくないな」「楽して稼ぎたいな」と思っている。 仕事に対して腰が引けた状態では、内定は獲得できない。企業の最終面接の最後の質問は、就活生の覚悟を問うものが出されることが多い。それにもきちんと向き合えるような、確固とした仕事観・職業観を持つことが就活では大切になる。 提言(和田康伯)(採用コンサルティング) 「親子の就活」の時代です。その影響は苦笑している場合ではありません。企業における内定辞退にも親の意見が大きな影響を与えているようです。「安定志向」は子供の意向のみならず、親の影響の強さも否めません。「親子の就活」への賛否や就活テクニックの議論は置いておいて、親として子供に、どのように社会の役に立ってほしのか、そして上滑りする自己実現のみならず、地に足をつけて周りのための働くことの大切さ、さらに家族を守ることの大切さを伝えていくことが大切なのではないでしょうか。20代の経済成長を知らない子供たちに人生の充実感の伝承と共に、「本物の親子の就活」、家庭内での親から子への「人生を切り拓く講義」に期待します。