就活スタート
異才発掘へ知恵絞る
2013年12月2日
日本経済新聞
2015年3月卒の学生の就職活動が始まった。業績回復を背景に企業の採用枠拡大の意欲は強い。だが企業は短期間に大量の学生の中から選ぶ従来型の採用システムに限界を感じ、多様な人材をとろうと独自の採用手法に知恵を絞る。一方、大学側も「就職率」で人気が左右されることから学生の就活サポートに必死だ。16年卒からは就活解禁が大学3年生の3月に繰り下げられ、就活期間はますます短くなる。就活は今、新たな変革期に入ろうとしている。
提言(和田康伯)(採用コンサルティング)
2015年3月卒の新卒採用においては、応募学生数の減少傾向とともに、学生の均質化傾向が大きな課題となりそうです。企業経営においては、環境への適応、変化へのスピード対応が求められるにもかかわらず、個性的な人材や異質な能力を持つ人材の採用が難しくなっています。企業側、学生側ともに効率化を求めるあまり、結果的に採用する人材の標準化傾向が進んだのです。背景として、企業側の採用方法においては採用ナビとエントリーシートによる採用方法の画一化、学生側の就職方法においてはマニュアル対策の徹底がどんどん進行したことも人材標準化の要因です。
大手企業においても一般的な採用と同時に異才の発掘にも注力していく方向が見えています。例えば、富士通の「チャレンジ&イノベーション採用」は「一芸採用」として、スポーツやその他の能力において一芸に秀でた学生の採用を導入しています。また総じて、大手企業、中小企業問わず、従来の効率化採用から一変し、学生との対話時間を増加させることや、グループワーク、インターンシップ等の活用により見極め方法を多様化させることや、各社のオリジナリティーを強調した個性化を進める活動になりそうです。採用業務の効率化から、多様化への流れが始まりそうです。
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