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大卒採用。計画未達の企業目立つ17年度

2016/10/16 日本経済新聞 日本経済新聞社がまとめた2017年度採用調査では大卒の内定者を計画通り確保できていない企業が目立った。41業種のうち陸運や百貨店・スーパーなど28業種が計画に届いていない。全体の38.5%の企業が採用活動を続け、売り手市場は変わっていない。ただ製造業の内定者数は減少に転じており、16年度までの過熱感は一服している。 種別にみると百貨店・スーパーや陸運、建設、外食などは計画に達していない。理由を聞いたところ、81.8%の企業が「人材獲得競争の激化」と答えた。   解説(和田康伯) 2018年の新卒採用は、流通業・サービス業は全般的に採用意欲が高い状態が続くでしょう。採用数未充足の製造業も同様です。輸出には円高の逆風で、一部の製造業、商社は、年明け以降に採用を絞る動きがあるかもしれません。アベノミクスの影響と同時に、団塊の世代が大量退職し、技術やノウハウの継承への危機感の高さが採用意欲の拡大につながっています。。 一方中小企業の新卒採用は、もっぱら、今年の採用数の未充足に加え、社員の離職の増加傾向も見られ、来年も高い採用意欲が見られます。中小企業の中途採用においては、一定の成果が出にくくなっており、年間での計画化、職種と待遇の再設定、新卒採用の強化など、各社で採用戦略も多様化していきます。   以下は、大手企業各社の現状です。 □陸運関連…インターネット通販の拡大でニーズは増加しているが、人材集めに苦戦。充足率は76.6%。(前年6ポイント低下)。倉庫・運輸関連…充足率は87.0%。 ・ヤマトグループは前年度実績より2割多い370人の採用を計画.未充足で来春まで採用活動を続ける。 ・佐川急便は、200人を計画で、充足率は76.5%。今年中の計画達成を目指している。 □小売業界…深刻な人材不足感。百貨店・スーパーは計画より内定者数は10.3%不足。 ・イオングループはドラッグストアで店員や薬剤師が不足。 ・高島屋グループも充足率が66.7%。 □外食・その他サービス…労働条件等のイメージから新卒も中途も若者採用全般に苦戦。 ・ゼンショーグループが89.3%。「今後も採用活動を続け、来春までに計画を達成する」 ・ロイヤルホールディングスやコロワイドも計画に達していない。 □製造業…理系採用に苦戦 ・京セラグループが計画の380人に対し、330人と未達。 ・日本電産グループも計画の380人に対し、275人と未達。採用は継続。 ・自動車では燃費データの改ざんが4月に発覚した三菱自動車の充足率が66.4%。 ・同じく燃費不正が明らかになったスズキは81.5%。 ・日産自動車やダイハツ工業は100%を上回っている。(日経新聞)