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高齢者の働き方、

クラウドで変える
2014年9月27日 日経新聞 複数の高齢者が能力を持ち寄って1人の仮想労働者を生み出そうとする「高齢者クラウド」。実証実験に取り組む、東京大学の広瀬通孝教授に背景と概要を聞いた。 広瀬通孝・東京大学教授 (中間省略) 「高齢者クラウドでは、何人かの高齢者の力を合わせて、1人の労働者がいるかのように見せる技術を考えている。このような働き方をモザイク型就労と呼んでいるが、時間、空間、スキルの3つのモザイク形態が想定できる」 「まず時間については、高齢者は長く働けない可能性があるが、誰かが急に席を外してもすぐに埋められるシフト制のシステムがあれば1人の働き手と同じように働ける」 「空間モザイクは、労働力が偏在しているときや物理的移動がむずかしい場合でも遠隔で働けるようにするものだ。安価で軽い譜面台のようなロボットを使って、遠隔地の会議室の中を歩き回ったり自分の視点を変えられたりすれば、現場の臨場感を得られる。遠隔でも存在感を出すため、アバターを利用する方法もある」 「スキルモザイクでは、たとえば翻訳で、英語もフランス語も中国語も堪能な人を探すのはなかなか難しい。クラウドを使えば、英語、フランス語、中国語それぞれができる人の能力を組み合わせて1人のハイパースキルを持つ翻訳家がいるかのように見せることができる」 解説(和田康伯) 労働人口の減少問題に際して、女性の活用、外国人の活用、実習生の活用等、日本の労働市場への新規流入を増加させる方法が、論じられ進められています。一方、ここでは高齢者のITによる活用方法が研究されています。会社内のタスク実現に必要な要件を明白にすることができれば、時間・空間・スキルにおいてモザイクを設定し、知的労働力に変換できる可能性が大いに広がります。タスクの実現要件が不明確になれば、時間・空間・スキルにおいて流動性の幅が広い、若手の正社員を頼りにする方法しかありません。未来の労働市場を考えたとき、知恵の宝庫である高齢や、感性の宝庫である女性をモザイクモデルとして活用できるノウハウの実践が急がれます。これからがとても楽しみな仮説です。 *モザイク(英語:mosaic、フランス語:mosaïque)は、小片を寄せあわせ埋め込んで、絵(図像)や模様を表す装飾美術の手法。(*以下は、ウィキペディアより)