氷河期世代を正社員に。厚労省、非正規転換に助成金
2016/10/17
日本経済新聞
厚生労働省は2017年度から、就職氷河期世代のフリーターらに対して正社員就職への支援を拡充する。正社員として雇い入れた企業に対する助成金を新設するほか、就職への意欲を喚起する短期集中型のセミナーを新たに始める。30~40代に達した氷河期世代は他世代と比べて雇用が不安定な傾向にある。集中的な支援を通じて雇用と生活の安定につなげる。
解説(和田康伯)
就職氷河期世代は、1990年代前半のバブル経済の崩壊後から2000年代前半に就職活動をしていた世代を指します。正社員としての就職ができず、フリーターが多かった世代です。年齢は、35~45歳くらいのイメージでしょうか。この世代の正社員化は、採用難に直面する中小企業にとっても、職種によっては有効で、活用しやすい助成金になるかもしれません。
この2017年度から新設する助成金は、企業が氷河期世代の非正規労働者を正社員として雇った場合に、1人当たり60万円を支給します。社員として定着しているかどうかを見極めるため、雇い入れから半年で在籍していれば30万円、さらに半年後も在籍していれば30万円と2回に分けて配る仕組みになります。助成金の背景は、政府が掲げる働き方改革の主要課題として「同一賃金同一労働」による、非正規労働者の待遇改善です。
一方、若者雇用促進法等による労働条件の開示が、中途採用では2016年10月、新卒採用では2017年の3月からスタートし、就業規則や業態体系、評価体系や給与体系等の人事制度の整備も並行で進めていくことが必要になってきます。
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