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新卒採用、本格スタート 他社辞退強要なら違法に

2015年7月27日 日本経済新聞 朝刊 2016年卒の大学生・大学院生の採用活動が8月から本格化する。経団連は16年卒の新卒採用について、面接などの選考開始時期を従来より遅らせた。一方、先んじて内定を出し始めた企業が、8月以降大手企業に内定者が流れることを恐れ、過度な引き留め策に走ることも懸念されている。 解説(和田康伯) 8月からの選考開始、内々定開始と、企業としての注意点をお伝えします。 ①8月1日の動向は? 今年の採用選考の解禁日は経団連の指針により、前年の4月1日から4ヶ月後ろ倒しの8月1日です。8月1日以降、一気に大手企業をはじめとして内々定が出されます。現状、7月1日の段階での学生の内定取得率は、概ね50%。内定取得学生の活動継続率は70%、内定保有数の平均は、1.9社となっています。これは、経団連に加盟しない、ベンチャー企業、外資系企業、中小・中堅企業による内々定です。一方、大手企業は、8月1日に向けて、水面下でリクルーターを通しての面談活動を続けています。 ②「オワハラ」は違法行為? 学生に就職活動を終えるように強要する「終われハラスメント(オワハラ)」には、注意が必要です。企業として当然、学生と信頼関係を創り、入社予定者の確保に取り組むことは、採用に熱心な企業としては当然のことです。しかしながら、過度に強要する行為は、パワハラやセクハラと同じように違法行為となる可能性があります。あくまでも職業選択の自由に守られている立場の応募者ですから、トラブルの回避や会社の信用上も十分な話し合いが重要になります。 ③「内定取消」は事実上の解雇? 学生は、承諾書を提出後も内定を辞退することができますが、企業が同様のことをしますと、業績悪化など止むを得ない事情が立証できる場合を除き、事実上の解雇として問題になります。内定は雇用契約に順ずるもので、書面だけでなく、口頭での内定も雇用契約となります。各企業が、内定辞退対策に取り組む中で、トラブルの回避のため、今一度、ご確認ください。