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内定辞退・離職を防げ

ワタミ「人材育成」熟考中
20141115 日本経済新聞   ワタミが社員の定着と育成に力を入れている。インターンシップなどを通じて入社前の学生とはきめ細かく接点を持ち、研修や会議など社員の負担は減らすようにした。人材の流出に悩んでいた同社だが、今年4月に入社した約120人のうち退職者を実質1人にとどめている。同社が手掛ける外食や介護の分野は人手不足が深刻になっており、人材の確保に手を尽くす。   解説【和田康伯】 外食・サービス・小売業界における人材確保はますます重要な問題です。ワタミ社の内定フォロー策には、いろいろな工夫が見られます。 ①北海道の直営農場などで催される2~3週間の農業体験のインターンシップ。社風を知る機会の提供。 7人の採用担当者による担当地域の内定者を集めての研修や懇親会。将来の希望や現在の悩みを個別に把握。 ③居酒屋で勤務するインターンシップを昨年開始。入社後に抱くギャップを最小化。1日の研修の後、通算50時間、店で実施。 ④内定者の親が参加するツアーも初めて開始。約20人が参加し、千葉県山武市の直営農場やグループで運営する介護施設をバスで巡る。   同社の新卒採用の状況は、2014240名予定に対して実績半数。2015100人予定に対して実績6070名。個人の意思を尊重する方針で、内定承諾書の提出を停止。また、定着率については、居酒屋を運営する事業会社で入社3年後の離職率を46.4%から30%以下に下げることを目指している。入社時から、定着率と労働環境の改善に向け、研修や会議時間を削減、不振店100店舗の閉鎖などにより1店舗あたりの1店当たりの社員数を13年度末の1.86人から14年度末に2.5人に増やしていく。   社員の営業力による売上から、高度な接客ができる社員のスキル向上による売上アップを狙っていく戦略は、業種を問わず、市場環境に適応する戦略として参考にできることも多いと思います。